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今年に入ってから営業成績がガタ落ちで…。なんかスランプなんですよね。

なるほど、落ち込んでいる理由はそれだね。でも簡単にスランプと言っていると変われないよ。

え?どういう事ですか?僕はスランプではないんですか?

そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。ちょっと確認してみようか。
この記事で分かること
・スランプの定義とは?
・スランプに陥りやすい6つの理由とは?
・スランプにならないように気を付ける2つの事
営業スランプなのか?そうじゃないのか?

スランプだと悩んでいるけど実はそうではないといった曖昧な現状把握は、状況の改善を困難にさせます。
まずはしっかりと営業スランプというものの定義が必要です。
結論からいえば、自分一人だけでは解決が不能な問題についてはスランプを用いず、自分の気持ちや行動次第で結果を変えられる状況についてはスランプと呼ぶという区別が可能でしょう。
前者の例を挙げれば、スマホのカメラ機能が進化すればするほど、今まで存在したデジカメの需要は減少しました。
スマホとデジカメの両方を持つ必要性が薄れたからです。
これは、営業がいかにメンタルを強く持っても、需要自体がないために売れなくても仕方がありません。
そして、これを営業スランプとは呼ばないという事です。
一方、そう呼べるのは、営業が自分の意識や行動を変えさえすれば事態を改善できるにもかかわらず、その努力を怠り結果を出せない状態を指します。
しかしスランプに陥る場合には共通した傾向があり、そこを認識して改善すれば抜け出せます。
その傾向とは、思考停止だと言えるでしょう。
営業スランプに陥りやすい6つの具体例

営業スランプかどうかは本人にしか分かりません。
その理由は唯一、全てが自分次第だからです。
現状の営業成績の低迷に向き合わないと、それ以上の原因究明を怠り改善の工夫も行わない思考停止状態に陥ります。
市場の変化やプロダクトライフサイクル衰退期突入といった根本的な問題に独力であらがう事は難しいので、しっかりと見極めて商品の撤退時期だと判断するような方針こそが必要です。
しかし、まだ現役で売れている商品の一時的な営業成績低迷は、多くの場合は自分の頭で考える事を止めてしまった時に起こり得ます。
思考停止こそが営業スランプの原因です。
そして傾向としては、以下の6つの具体例に顕著です。
検証ができていない
営業経験を積めば積むほど、独自の営業スタイルも確立されて同じやり方で成果をあげられるでしょう。
しかし、ずっと使ってきた営業トークや資料がもう時代遅れになっている可能性や、競合他社がより安くて新しい商品を開発しているという市場動向への情報の不足は、間違いなく営業成績に直結します。
つまり、実際には同じやり方が通用しなくなってきた原因に気付いていないだけです。
競合の新商品に対してこちらも値下げの方針で提案しようとか、これまでのシェアを生かした追加提案をしてみようといった試行錯誤で改善できれば、営業スランプを脱したと言えます。
同僚や上司の意見をうのみにする
思考停止の典型的なパターンですが、社内の優秀な同僚や上司からの情報をうのみにして自分では検証せず、適切ではない意見やアドバイスに基づいて行動するため営業成績が低迷するケースです。
同僚や上司がいくら優秀であっても、あなたの営業先を完全に把握する事など不可能です。
そして、顧客先の環境も千差万別なので、たとえ同僚の営業先では機能しているやり方でも、あなたの顧客に当てはまるとは限りません。
上司の過去の成功体験も、何も考えずにただコピーするだけでは、既に商環境は変わってしまっている可能性も高く、効果がでるとは限りません。
スマホがなかった時代の成功体験談は、現代には適用されないでしょう。
コンサルタントやビジネス書籍などに頼る
参考にできる情報ソースは多様に選択が可能な環境です。
しかし、あなたの状況が少しは分かる同僚や上司ですら、あなたの顧客先の全てを完全に把握する事は難しく、ましてやあなたのために書かれていない本の内容をそのまま適用しても100%の効果を得る事は不可能です。
顧客先ごとに状況を分析し、自分の頭で考えてカスタマイズできるのは営業担当者のみです。
そもそもコンサルタントのアドバイスやセミナーからの意見やビジネス書籍の内容は、そうした前提で提供されているものという認識がない状態は思考停止そのものです。
タスクに優先順位がつけられない
ビジネスパーソンといえども、一日にできる仕事の時間には限りがあります。
その中でいかに効率よく結果に結びつく行動ができるかは、タスクの分析とそれぞれの優先順位付けにかかっています。
自分が顧客先の訪問に集中するためには、社内のどういう人々の協力をどのように仰げるかも含め、外出中に資料や書類の作成をチームメンバーに依頼するなど、限られたリソースを効果的に使う戦略が必要です。
思考停止していては、何もかも自分一人で抱え込み、結果的に営業活動が漫然とするでしょう。
それではいつまでもスランプから抜け出せません。
努力しているのに結果がでないと思いこむ
思考に基づいた行動であれば良いのですが、そうではなくてやみくもに根拠もなく行動する事は、それらのせっかくの努力を無駄にする可能性が高くなってしまいます。
最もスランプに陥っていると自覚するケースだと思われますが、結局は思考停止している自分こそが自らの努力を無駄にしているのです。
おそらく他の具体例と同時に起きており、例えば上司にこうしろと言われた事を愚直に実践してしまうがあまり、訪問はできるけど契約は不可など、成果にまでは結びつかないのだと思われます。
本来であればそのアドバイスを顧客ごとにカスタマイズして柔軟に生かす思考が必要な場面であるのに、行動している事に満足して思考停止してしまっては成果に反映されません。
数字を把握していない
営業の基本は、可能な限り訪問して潜在顧客の新規成約や既存顧客からのリピートオーダーを得る事です。
そのために必要だと思われる一日の訪問数や、新規顧客を集めるセミナー開催の頻度などは計画的に管理されるべきです。
そしてその進捗具合を常に週ごとや月ごとのスケジュールと照合しながら訪問数の増減など調節する必要があります。
こうした指針がなければ、単純に訪問数が足りていないだけなのに、営業スランプに陥ったと悩む原因にもなりかねません。
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営業スランプを予防する2つの心構え

スランプを自覚して対策を講じるよりも、そう感じる前に予防できればそれがベストでしょう。
そのための手段は正に上記例のような思考停止状態を回避する事であり、集約すれば2点に絞られます。
1つはさまざまな意見やアドバイスに基づきしっかりと計画を立てた数字を作成し、その進捗を週間や月間というスケジュールの中で管理する事です。
この管理をチームと自分自身で行う事により、常に現状を正確に把握しどのようなアクションが足りていないかを明らかにでき、必要な量の行動を計画できます。
2つ目はその行動が無駄ではないかの検証です。
顧客ごとにカスタマイズした戦略、資料、提案を使い分けながら、機能した部分としなかった部分を検証して常に改善していく事です。
この量と質の両面において思考停止を回避する事が、営業スランプに陥る予防になると言えるでしょう。